内観的整体セラピー 10 素のままに

無心に生きるなど、とても難しい話になってしまいました。
しかし要は、素のままに生きる、つまり自分を飾る体裁や見栄、損得を図る考えや感情を脇に置いて、素顔の自分になるということです。それと身体の健康とどういう関係があるの?という問いに対しての答えは、今までの原稿を読んでいただければわかると思います。


そして僕自身、心の静寂を保っているというのは、何も仙人のような暮らしをしているわけではなく、素顔のままに人と接し、決して自分を偽らないということです。つまり例えば、あなたと話していて面白くなく退屈してきたら、それを表情で表す、というか自然と表情に現れてしまうほどの自然体になっています。
その素顔さ、自然のままの反応が、社会性という仮面を外せない人からは違和感を感じさせるかもしれません。


でも、その違和感が大事なポイントとも言える。つまり僕の自然なままの態度に違和感を抱く人は、その人自身の身体の自然な反応に対しても違和感を抱くのです。だからその違和感が心身を内観する上でひとつのポイントでもあり、違和感が違和感でなくなるようになってゆけば確実に身体は変わります。


でもそれは、僕と親しくせよと言うのではない。つまりどちらが正しいとかどうあるのが正しいう視点から語り合ったり関係を築いていくことを望んでいるのではないのです。あなたも僕としてつまらなければ、それを語ったらよいのです。

ただセラピーの目的は、自分の身体との付き合いですから、その付合い方を学ぶ上で僕と呼吸が合うなら通ってくれたらよいのです。しかし飽きたらやめるのも自由。
その自由さを病院や学校、職場に通う場合も通してくれたら、それは僕が一番あなたに望むこと。
だから、実は僕のセラピーは、僕との関わりは、話は難しいかもしれないが、社会的束縛は一切ない、お互いの自由を取り戻す方向での関係なのです。


ただし、自然から自由になろうとしたり自然を自分の思い通りにしようとすることは、思ってはいけない、してはいけないご法度が、ここでの唯一のルールです。