からだのクセ 6

ざっと体癖について10種類のタイプを紹介してきましたが、これに野口整体では過敏反応体癖(11種)と鈍感なタイプ(12種)を加え、全部で12種類の体癖に分けています。しかし僕は11種、12種については判断しにくいので、私の中では10種類としています。

実際には、これらが個人の中で2つないし3つ重なり合って、気質、体質、個性が形成されるわけです

 

人というのは、どうも簡単に見分けられるタイプ論を求め、それに基づいて人を判断しようとします。これはまぁ私にもその傾向はあるのでその見方を批判出来ませんが、人というものはわかるようでわからない。自分のことさえわからない。
わからないから、少しでも理解してゆく手掛かりとしていろいろなタイプ論があり、体癖もその範疇です。
 
でも体癖の話はとても面白く、みなさん興味を抱かれ「体癖についてわかりやすく説明して、整体師でない誰でも解る見分け方を教えて」という声がたくさん寄せられます。
私も出来るだけその要望に応えたい半面、実は私にも「この人の体癖は何種だ」と断定できない難しさがあり、それは私だけでなくほとんどの野口整体の指導者がそうなのです。

おそらく、「この人の体癖は何種」と断定できるのは野口晴哉師だけでしょう。 


なんだ、そんなにはっきり解ってないものなら、なんで「体癖」を語るの?という批判もあるでしょう。それに対しての返事は「わかりづらいからこそ、そこにミステリアスな魅力を感じる。一度入ったら最後、出て来れない迷路の世界かもしれないけど入りたくなってしまう」ほど惹きつけるものがあるのです。

でも体癖という視点を加えて人を見るようになってから、人に対する理解度、自分に対する理解度は深まりました。
その深まりの世界のたどり着く所は、「すべての人を良いも悪いもそのまま受け容れる、自分のすべてを良いも悪いもそのまま受け容れる心境」にあるのです。

 

長い道のりだけれど、その境地にたどり着きたくて「体癖」にはまっているのです、僕の場合は。