低潮と高潮

 私の事ですが、どうも最近、体の動きがのろくなっています。
それに、動くということ自体億劫です。
整体で背骨を調整する際、患者さんの背中にまたがり中腰の姿勢をとるのですが、どうも構えが決まらない。

夏バテもあるのかもしれないが、確かに呼吸が深くならない。
骨盤を内観すると、なんと内的動きが起こらない!

これは、まさしく体が低調に入った証拠です。

人の体には、バイオリズムがあるのはご存知でしょう。
整体でもこれを認めており、低潮、高潮と称しています。

「潮」という文字を使うのは、海のリズムと同調しているところがあるからです。
つまりは「水」体液の流れ具合、勢いの状態を現わしています。

低潮のときは、動作がのろい、頭の回転が遅い、気分が乗らない、考えが前向きにならない、などの状態を呈します。

高潮は、その反対です。動作は機敏で頭もよく働き、気分上々で多少勢い余ってやりすぎてしまうこともある。


一般に、体調を崩しやすいのは低潮のときといえそうですが、そうとも限らず、動作がのろいゆえに用心深くなり、いろいろ気をつけるので体は壊しにくい。
むしろ、高潮のときのほうが勢いがあるので、ついつい無理をしてしまうし、無理をしたい気分になる。だから、体を壊すのはこの時期に多い。


しかし、人の生活は複雑で、仕事が忙しいときに体は低潮になったり、ヒマなときに高潮になったりと社会生活とうまくリズムが噛み合わないことも結構あります。


低潮、高潮のリズムは、短いときは10日で変わり、長いときは3ヶ月くらい続きますが、これは生理的リズムで、心理的、運気的リズムの周期は2~3年と長くなります。


これに対し、私たちの思考は安定を望み、常に一定の状態を保とうとします。熱が出たら下げようとし、血圧が上がれば下げようとするのも、この「一定思考」によります。ちょっと熱が上がっただけで、体のバランスが崩れたと錯覚するのですね。
経済生活も安定させようと、少しでも余分に稼ぎ、貯金して安定させようとします。


しかしどうも、様子を見ていると、熱は一日、二日で下がってくるし、経済面も半年くらい待っていると流れが変わって入ってくることもある。

なので、よーく様子を見て静観していると、何もしなくても大丈夫なことが体の面でも心、生活の面でも結構あるようです。

私たちは、体の波、自然の流れをもっと信頼すべきなのですね。