活元運動のすすめ
もうひとつ、紹介したのが「活元運動」です。
活元運動は、野口整体においては感受性を開発するための基本的トレーニングとして紹介されています。
それは、体の中から湧いて出てくる「体の自発的動き」に身を委ね、運動が起こるがままに展開させてゆくものです。
世間ではヨーガが流行っています。実は私もヨーガは長い事実践しています。
でも、ヨーガはやはり、意識の側から体を整えよう、調整しようとするものです。
それでも実践している人が「骨盤(生命)の声」や「魂(無意識)の声」に耳を傾けているなら特に問題はありません。
でも、現代人でこの「声」に耳を傾けている人はごくわずかなように想うので、この「活元運動」をインナーワークと併せて実践してほしいのです。
実は私たちは日頃から、この運動をしているのです。
それは眠っている間です。
この時間に「寝返り」とか「あくび」とか「寝言」として行っている、これが「活元運動」です。
これが起こることによって私たちは、心と体のバランスを取っています。
日常の疲労は寝返りで、現実で満たされない心の欲求は夢と寝言によって解消されるか、あるいは意識に満たしてくれるよう合図を送っているのです。
でも、私たちの日常生活が自然のリズムとかけ離れていたり、そしてそこから来る体の故障を薬で治していたら、症状は取れても体の異常はなくなりません。
それでも、その生活が自発的なものであれば、つまり心からやりたいことをしているのなら、それほど大きな問題にはなりません。
でも、生活が世間の習慣や流行、常識など周りに合わせようとしてばかりいて、自分らしい生き方を忘れてしまっていると、それは生命と魂にとっては結構ストレスがたまるのです。
あなたの意識がストレスを感じていなくても。
すると、このような暮らしをしている時は、仕事や家庭、人間関係に特に問題がないようでも、心と体はいつも緊張し、どこか満たされず「生きてて楽しい」とか「幸せ」という実感が薄いのです。
この満たされない想いや感情は夢として現れます。
活元運動とは、この「寝返り」と「夢」を意識的に行うことによって、体と心の自然を取り戻そうというものです。
活元運動は、今のあなたの生命と魂が表現する「あなた自身の世界」です。これを「動き」として表現してくれるのです。
でも、このやり方は残念ながら言葉だけでの説明は難しいので、興味の湧いた方は当塾で定期的に開催している「気の会」に参加してください。